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是石彼方の幼少期

経済大国にて低所得者層の家庭に産まれる。

当時国内では失業者が増加傾向にあったことや、
経済不況を10年以上継続している先進国があったことから、
多くの国民が生活に不安を抱いていた。

子育て世帯は教育に力を入れ、
子供が就職できる確率を高めようと必死になっていた。

特に低所得者層は結婚、出産してから社会の現状を知ることが多い傾向にあったため、
苦しい家計の中で子育てを行っていた。

彼方の家も周りに合わせて幼少期からの教育に力を入れ、
教育水準の高い幼稚園を入園先に選んだ。

しかし、穏やかな気質を持っていた彼方にとって、
幼稚園からの国語、算数、理科、世界史、外国語学習といったものは肌に合うものではなく、
無理やりやらされる苦しいものでしかなかった。

当然身に付かない。
テストの点も悪く、親に叱られ、劣等感だけが育っていく。

性格は内向的になり、友達もできず、
『生きるって、楽しくないことなんだなぁ……』と感じていた。


対し、周りの家庭は高所得者層。
どうすれば子供が自主的に勉強をするか、
学習に対して意欲的なれるか、
社会という集団生活の中でうまく立ち回っていけるかを両親ともに経験として学んでいる。

親として、不安を煽るような報道や思いつきのような教育政策に左右されることもなく、
将来自分を助けてくれる優秀で都合の良い子供の育て方を知っている。

しかし、彼方の両親はそれを知らない。
勉強は『やらなければならない苦行』であり、
結果が出なければ叱る……そういうものでしかなかった。

そして結果が出なかったから、
両親にとって彼方という子供は『家計を圧迫するゴミ』となり、
『奴隷として扱うべき存在』となった。



小学校の入学試験が迫ってきた時期、
両親は『結果を出さなければごはんを食べさせない』という条件を彼方に突き付けた。

それ以降、両親は幼稚園内のテストでも高得点でなければ彼方から食事を取り上げた。
彼方がどれだけ謝っても、お願いしても、決して食料を与えない。
泣きながら土下座する彼方の頭を踏みつけ『結果を出さなかったお前が悪い』と怒鳴りつけた。

彼方は空腹からくる死の恐怖に怯えながら勉強した。

誰に、何を、どう相談すればよいのか、
どんな助けを求めれば良いのか分からなかったから、
勉強して、結果を出して『ごはん』を勝ち取るしかなかった。

成果は出た。名門の小学校に入学できた。
しかし、両親は『このやり方は結果が出る』としか思わなかった。

彼方を褒めることなく、
出て当たり前の結果をようやく出したとあきれていた。

『もともとノリで避妊せずに産んだ子供』
『かわいいとは思わないし、愛情もない』
『自分たちの将来の面倒見させる道具』
『無能であれば性奴隷にでもすればいい』

これが両親の認識。この国の子育て世帯に一定数存在する教育方針。
この部分に関しては高所得者層も同じだった。

『競争の激しい実力資本主義社会。人を人として扱っていては飯が食えない』

そんな社会環境が子供に負荷を押し付ける。
だから小学校から鬱屈を抱えた子供たちによる『いじめ』が始まる。

是石彼方は標的として最大級に都合がよかった。





是石彼方。小学校三年生。教室の隅で授業を眺める置き物。

彼方に教科書や机なんてものはない。
周りが当たり前のように持っているものはすべて奪われるか壊された。

教師は見て見ぬふり。両親は『奴隷』の言葉に耳を傾けない。

だけどテストで点をとらなければ食べ物がもらえないから、
文具はゴミ箱に捨てられたものを拾って、プリントの裏をノート代わりにして学習し、試験で成績を残した。

けれど両親が給食費を払わなかったため、
獲得できた食事は朝と夜、両親の食べ残しか消費期限切れのあまりものだけだった。

死ぬのが怖かった彼方にとっては、
食べることができるだけで十分だった。

親という支配者の命令に対して結果を出せば怒られない、殴られない、ごはんを食べることができる。
飢えの苦しみ、みじめさに比べれば、その他のことは心を動かすほどのことでもない。

彼方の感情は極めて揺れ動かないものとなっていた。

そのせいか、今までいじめを行っていた側が彼方を恐怖するようになった。
無反応、無表情。何を考えているのか分からない。

『これ以上手を出せば殺されるかもしれない』

周りはそう思うようになっていた。

同時期に世界では『いじめっ子たちが虐殺される』という猟奇的な連続殺人事件がニュースになっていたこともあって、
子供たちの間では『いじめをやればひどい殺され方をする』という恐怖が蔓延していた。

それ以降彼方は何もされなくなった。
『みんなも死ぬのは怖いんだ……』と彼方は思った。


両親も同様に彼方を忌避するようになった。
『いつか寝込みを襲われるかもしれない』と考え、彼方を家から追い出すことにした。

その国では『子供の頃から働かせることで、世界的に活躍できる優秀な人材が育つ』という名目で、
政府認定の職場で子供を働かせることができた。

実際は外国人労働者よりも安くこき使える使い捨ての労働者として子供を標的にしただけだったが、
反対の声よりも、政治家と官僚と大企業の連携による金と権力の方が強かったため児童労働政策が押し進められた。

両親はこの制度を活用し、
労働最低年齢に到達した彼方に自立を命令した。

両親から離れられること、収入で自由に食べ物を買えることから彼方はこの命令に従った。




是石彼方。小学四年生。放課後はコンビニ店員。

当時コンビニには自動レジが導入されていたが、
品出しや清掃といった部分の自動化ができておらず人手を必要としていた。

その部分に安い賃金でこき使える単純労働者として子供が選ばれていた。

彼方はそういった大人の事情を知らなかったが、
労働の対価としてお金がもらえて、
それでごはんが食べられるだけで十分だった。

家はないが文句はない。
寝床にしている路地裏や河川敷には同じような人が大量にいる。
みんな生きることに楽しさなんて求めてない。
ならば自分も、今日を凌げる幸福以上に必要なものはない。

しかし、その幸福に危機が訪れる。
今年度から学費を自分で賄うことになったからだ。

両親は音信不通、かつての自宅には別の人が住んでいた。
親に捨てられるという、この国では珍しくもない事が自分にも起きたのだと彼方は解釈した。

彼方は学校をやめようとしたが、
学校側は学生支援機構や奨学金制度を紹介するとともに、

『学校を卒業しないと将来就職で困る』
『コンビニで働けるのは子供のうちだけ』
『優秀な大人にならなければ収入は増えない』
『ごはんが食べられなくなる』

と、彼方を引き止めた。当然善意の助言などではない。
奨学金という名前の借金を子供に背負わせ利子で儲けるためだ。
彼方が自力で借金を返せなくとも、
この国の学生支援機構は『女の子を使って倍額以上を稼ぐ手法』を熟知している。

彼方の人生などどうでもいい。
親に捨てられた子供は大人にとって都合の良く利用できる道具。それ以上の存在ではない。

そんな大人の意図を汲みとれない彼方は親身になってもらえたと勘違いし、
奨学金制度に加入してしまう。

誰も児童相談所の存在を教えない。
助ける義理はどこにもない。
知らない、気づけない方が悪い。

こういった考えがはびこる社会。
是石彼方はそんな国に生れ落ちてしまった。


その後、中学に進学して天道銭稼に出会うまで彼方の暗い人生は続く。

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